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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1003名

調査期間:2025年4月8日〜4月16日

図書館やホテルのラウンジ、カフェなど様々な場所でノートパソコンを広げ、仕事をするリモートワーカーの姿は、今や日常の光景となりました。
そんなリモートワーカーの需要を取り込むべく、FREE Wi-Fiや電源設備の提供、隣席との仕切りの設置など、長時間、あるいは集中して仕事ができる場も増えてきました。
多くの人に開かれた公共の場が、ワークスペースとしての機能も持つようになってきたのです。

しかし、オフィスや自宅のように、特定の人だけがいる空間ではないだけに、周囲への配慮は大切です。
リモートワークが当たり前になった今こそ、公共の場で仕事をすることについて改めて考える必要があるのではないでしょうか。

そこで私たちは今回、「リモートワークとマナー」というテーマでアンケート調査を実施しました!

リモート時代の新マナー? 世代によって気になる点が異なるようです

ワーキングパーソンのみなさんに、「あなたが見たことがある、これはまずいというリモートワーカーはどんな人?」と聞いた結果は下記の通り。
まずは年代別のグラフから見ていきましょう。

Q.あなたが見たことがある、これはまずいというリモートワーカーは、どんな人?(年代別)

20代から60代に共通して、「パソコンの画面が丸見え」「飲食店に何時間も長居している」「大声で会議している」の項目を挙げる人が多いことがわかりました。
とりわけ30代は「パソコンの画面が丸見え」と答えた人が突出して多い結果に。
この世代は、ガバナンス(企業統治・管理体制)意識が強まる中で管理職になった人が多いと考えられますので、上の世代と比較しても機密情報の保護に敏感なのかもしれません。

20代・30代と50代・60代を比較してみると、20代・30代は「FREE Wi-fiに接続して仕事をしている」ことを問題視する人が多く、最も多かったのは20代で、続いて30代が高い割合という結果になりました。
一方、60代でこの項目を問題視している割合は最も低く、次に50代が低いという結果となりました。
FREE Wi-fiのセキュリティリスクを考慮した結果と推測できますので、ネット利用におけるリスク感度が高い若い世代の割合が高いのも納得ですね。

続いて、60代で一番多かったのが、「コーヒー1杯でお店に迷惑」という回答。同じく、50代にも多いという結果となりました。逆に、この回答の割合は20代で最も低く、次に30代が低い、という結果となりました。

年代が高くなるにつれ、ワーキングパーソンとしてというよりは、社会人としてのマナーを重視する人が多いと言えそうです。

リモートワーカーに一番厳しい目を向けているのは…? 

次に、勤務形態別にアンケートを見てみると…。

Q.あなたが見たことがある、これはまずいというリモートワーカーは、どんな人?(勤務形態別)

結果として、勤務形態によって各項目の回答分布にはあまり大きな差異は見られませんでした。

一方で、全体的な回答割合には、勤務形態によって大きく差があるということがわかります。

まず、「特になし」が突出して多いのが、フルリモートの回答者。 普段自宅で、あまり周囲に気を遣うことなく仕事をしているからか、マナーに対しての関心が少ない、あるいは、基準が緩いと言えそうです。

また、次に「特になし」が多いのがフル出社の回答者であることから、自宅フルリモ勤務者とともに、平日のワークタイムに外にいないので、公共の場で仕事をする人を目にする機会が少ないのかもしれません。

ハイブリッド出社の回答者が、他の勤務形態の回答者に比べて「これはまずい」という回答が全体的に多いことからも、普段からオフィスで周囲に気配りしながら働いていることに加え、平日ワークタイムに外にいることが多いことで、公共の場でのリモートワーカーのふるまいに、厳しい目を向けていることが伺えますね。

最後に、アンケートで「その他」と答えた人からは、自由記述で様々な意見が寄せられました。

「通勤電車の中で作業していた」や「お菓子を食べながら会議に出ている」など、人によって賛否が分かれるような回答も。 「電話に出ない」「メールの返信が遅い」「なかなか連絡がつかない」といった声も多くありました。相手が目の前にいないからこそ「本当に仕事してるの?」と不安に感じているのかもしれませんね。

オフィス外でのリモートワーク。ポイントは「セキュリティ」と「気配り」

今回の調査で見えてきた、オフィス外でリモートワークをする際に気を付けるべきポイントは、大きくまとめると、「セキュリティ」と「周囲への気配り」の二点と言えます。

「セキュリティ」については、仕事で取り扱う情報の多くは機密情報ですから、会議時の声が聞こえないように会議用ブースや個室を利用する、パソコンの画面が見えないようにスクリーンフィルターを貼るなどの対策が必要でしょう。

また、会社から携帯用Wi-Fiを支給されていないワーカーには非常に便利なFREE Wi-Fiですが、実は、悪意ある第三者に仕込まれたウィルスの侵入経路となり得るなど、かなりリスクのあるものです。
パソコンにしっかりウィルス対策をすることも重要ですが、そもそもFREE Wi-Fiの利用を控えることも考えたほうが良いかもしれません。

一方、「周囲への気配り」については、通話・会議時の声のボリュームを控えたり、混雑時に長居しない、必要以上のスペースを占拠しないことなどに気を付けるのが良さそうです。

改めて、「そこは会社ではない・自宅ではない」という意識で襟を正したいですね。

リモートワークしない人にとっても快適なリモートワーク社会を

コワーキングスペースなど専用の場所を除けば、オフィスの外は、人それぞれの目的で利用している場であることを忘れてはいけません。
多様な働き方が可能な今だからこそ、「空間を共有している」という感覚を大切にしたいものです。

快適に仕事をこなしつつ、ほかの利用者や店舗にとっても心地よい環境を保つ。そのバランス感覚を大切に、世間からもますます好意を持って受け止められるリモートワーク社会を、ともに作っていきましょう!

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/
 ・ライター、メディア、新聞社の強い味方
 ・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワーク ・リモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査。ご要望に合わせて設問の用意可能。
 ・運営:株式会社LASSIC(ラシック)

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