
2025年10月13日
人事担当者注目!「リモートワークによって退職を思いとどまった理由」ランキング発表
記事の調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1005名
調査期間:2025年5月23日〜5月28日
リモートワークは人材の定着に意味を持つか?
リモートワークは多くの企業で定着し、通勤負担が軽減される、時間を柔軟に使える、といった利点は、人々の働きやすさを高めてきました。
しかし近年は「やはりオフィスで顔を合わせたほうが生産性が上がる」「組織カルチャーの維持には出社が不可欠だ」といった声も聞かれるようになり、出社回数を増やす企業も増えてきました。
こうした中でテレリモ総研が注目したのは、リモートワークが人材の定着にどのような効果を持つのかという点です。リモートワークだからこそ退職を思いとどまった、という人がいるのだとしたら、辞めないその理由とは一体何だったのでしょうか?
今回、私たちテレリモ総研は、リモートワークで働く全国のワーキングパーソンに「リモートワークによって退職を思いとどまった理由」に関する調査を実施しました!
リモートワークだからこその「辞めない理由」とは
「リモートワークできる(できている)ことを理由に、退職を思いとどまったことがありますか? あれば、その詳しい理由を教えてください(複数選択)」とお尋ねしたところ、以下のような結果となりました。








これらの結果を踏まえた上で、傾向を見ていきましょう。
世代・性別によって「辞めない理由」に特徴が
まず全体に共通して最も大きな理由となったのは「通勤時間がないから」でした。
割合で見ると、「リモートワークでできる(できている)ことを理由に、退職を思いとどまったことがある」と回答した人の約半数がその理由として挙げていますので、この点は見逃せません。
加えて、「飲み会がない」「MTG以外顔を合わせなくて済む」といった、対面コミュニケーションに関する理由も上位に入りました。
リモートワークは、人間関係のストレスを軽減する効果を発揮していると言えそうです。
性別による違いにも注目です。
女性の場合「長時間、人に会うと疲れてしまう」という声が多く、「気疲れ」に対するアプローチが退職抑制のポイントとなりそうです。
対して男性は「上司が帰らないから残業という思考が不要になった」と答えた人が多く、業務効率向上や拘束感の緩和を重視していることが見えてきます。
年代ごとの違いも鮮明に表れました。
20代は「朝ぎりぎりまで寝ていられるから」と答えた人が最も多く、「通勤時間がないから」がダントツ1位の他世代よりも、「睡眠時間」の優先度が高い傾向があるようです。
一方30代・40代では「子育てと両立できる」が4位に入りました。
「自分時間」を重視する若手と、「家庭時間」を重視する中堅、という差異が見えてきます。
最後に注目すべきは、60代以上における「特にない」と回答した人の多さです。回答率は実に69.9%と、他世代に比較しても突出して高い数字となっています。
世代が上がるごとに、リモートワークの「退職を思いとどまらせる力」は薄れていくことが分かります。シニア層の定着を考えるなら別のアプローチが必要になってくるようです。
企業が取るべきこれからの一手とは?
今回の調査で、リモートワークによって退職を思いとどまる理由には、男女や年代によって異なる特徴があることが分かりました。
一方で、「通勤時間がない」ことが、全世代共通で恩恵となっていることが見て取れます。
逆に言えば、「通勤時間が苦痛」「通勤時間がもったいない」といった理由で退職意向が生まれる可能性があるとも読み取れます。
出社日数を増やす方針の企業は、経営やマネジメント視点で考える出社のメリットだけではなく、「通勤時間があっても出社したくなるメリット」を社員に実感してもらえるよう「何か」を用意すると良いのかもしれません。
さらに「採用」という視点で見てみれば、「通勤時間がない」ことが、“福利厚生”的に入社を判断する決め手になる可能性も否定できません。
離職率が気になる企業、採用で苦労される企業はリモートワークという選択肢を持たれてはいかがでしょうか。
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