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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1003名

調査期間:2025年4月8日〜4月16日

新型コロナウイルス感染症が五類に移行してから二年が経ち、大手企業を中心に、いま再び、社員に出社を求める流れが起きてきています。
「原則・推奨・義務化」や「週2日、週3日、週5日」など濃淡はありますが、義務化した企業においては、拒否した従業員は解雇される可能性もあるわけで、強硬な姿勢と言えます。

ですが、働く個人の声に耳を傾けてみると、出社に強く賛同する声はあまり聞かれません。
むしろ多くの人が柔軟な働き方を望んでおり、企業と個人とのあいだで、働き方に対する意識がすれ違っているように見えます。

そこで今回は、働く人々が「将来どのような働き方を望んでいるのか」について意識調査を行い、その傾向を分析してみました。

衝撃の結果? 7割の働き手がリモート希望!

1,003人のビジネスパーソンに、「将来働くならどの勤務形態を希望しますか?」と尋ねたところ、以下のような結果となりました。

  • ● フルリモート希望:17.1%
  • ● ハイブリッド希望:54.5%
  • ● フル出社希望:6.9%
  • ● その他:21.4%

この結果から見てもわかる通り、ハイブリッド希望も含めると、リモートワークを希望する人が全体の7割以上を占めている状態です。
対してフル出社を望む人は1割未満に留まっており、現在進みつつある出社回帰の流れとは明確なギャップがあることが浮き彫りになりました。

この結果はどのような理由から生まれたものなのでしょうか?
それぞれの勤務形態を希望する理由についても尋ねてみました。

フルリモート勤務やハイブリッド勤務を望む人々からは、

  • ● ワークライフバランスを向上させたいから
  • ● 通勤時間を削減したいから
  • ● ストレスを減らしたいから
  • ● 自分のペースで仕事を進めたいから
  • ● 家族やプライベートの時間を増やしたい

といった声が寄せられました。
リモート勤務を希望する人たちは、心身の健康や自分の時間、家族との時間など、仕事だけではなく生活全体に目を向けているようです。

一方でフル出社を希望する人からは、

  • ● 仕事の効率が上がるから
  • ● 生産性が向上するから
  • ● チームとのコミュニケーションが取りやすいから

といった項目が多く見られ、逆に、家族やプライベートの時間を増やしたいという回答はかなり下位になっており、傾向の違いが明らかになっています。

リモート勤務を希望する人にとって仕事は「生活の一部」であり、フル出社希望者にとって仕事は「生活の中心」なのかもしれません。
仕事に対するウエイトが、希望する勤務形態に表れている、と言えるのではないでしょうか。

出社を希望するのはどんな世代

フル出社を希望した人々の年齢層を見てみると、40代と60代が多いことがわかりました。

40代は子どもが小学校高学年以上になり、家庭での手がかかる時間が減ってくる世代です。
結果として「オフィスで仕事に専念したい」と考える方が多いのかもしれません。

60代のワーキングパーソンは社会人生活の大部分を「出社するのが当然」という環境で過ごしており、「働く=職場に行く」という価値観が深く根付いています。
リモート環境で仕事をするより、出社したほうが生産性の高さなどを感じやすいのかもしれませんね。

ハイブリッド勤務者が意識する「健康管理」

今回の調査の中で、ひとつ興味深い傾向が浮かび上がりました。
それは、ハイブリッド勤務希望者に「健康管理がしやすいから」という理由を挙げた人の割合が高かったという点です。

そのスコアはフルリモートやフル出社を希望した人たちより約10ポイントも高く、特徴的な結果となりました。
「仕事の効率」や「コミュニケーション課題」は低いスコアとなっていますので、フル出社希望者のように、「生産性」に対する課題意識から出社したいわけではなく、「完全在宅では不健康」といった健康意識から、ハイブリッドでのバランス型を希望しているのかもしれません。

週に数回、通勤やオフィス内での徒歩移動、仕事帰りのジム通いなどでちょうどよい運動時間を確保しつつ、生活にもメリハリをつける。
ハイブリッド勤務は妥協案ではなく、意図的にバランスを取る選択肢として支持されているのかもしれません。

これからの働き方に必要なのは「柔軟な選択肢」

今回の調査結果から、出社を望むのは一部の世代に限られており、フルリモートやハイブリッド勤務を希望する人が多数派であること、働き方の意識も、希望する出社形態によって異なることが分かりました。

よって、企業も、出社回帰を選ぶとしてもハイブリッドまでとし、 働く人のライフスタイルや価値観を尊重した勤務形態の選択肢を提示することで、「この会社で働きたい・働き続けたい」といった、社員のエンゲージメントを向上させることにつながるのではないでしょうか。

新しい働き方が模索される時代、柔軟な環境づくりが、これからの企業にとって重要な課題となっていきそうです

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/
・ライター、メディア、新聞社の強い味方
・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワークリモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査
・ご要望に合わせて設問の用意可能
・運営:株式会社LASSIC(ラシック)
・イラスト:ねじまきデザイン製作所

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