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記事の調査概要

調査方法:インターネット調査

調査対象:20歳〜65歳のワーキングパーソン男女1068名

調査対象:2023年7月14日〜7月18日

政府の方針により、ここ数年で積極的に副業が推進されるようになってきました。副業としての働き方が広がったことで、その延長線上でフリーランスも注目され、フリーランス人口の増加にも影響していることが考えられています。

しかし、現在の若い世代にも親世代から引き継がれた終身雇用の意識が強く残っている現状において、フリーランスとして働く人はどれくらいいるのでしょうか。また、フリーランスという働き方に対する興味や関心は高いのでしょうか。      

そこで今回は、日本におけるフリーランスに対する世間の興味や関心について、調査を行ってみました。

日本のフリーランス志向、最も多数派を占めた回答は?

まず、日本におけるフリーランス人口について2021〜2022年の実態調査結果を確認したところ、欧米における労働人口に対するフリーランス率は36%に対し、日本における労働人口に対するフリーランス率は22.8%と、日本は欧米に比べ、フリーランス人口が少ないことがわかっています。

※引用元:【ランサーズ】新・フリーランス実態調査2021‐2022年版

このように日本ではフリーランスの人口は決して多くない現状ではありますが、フリーランスという働き方に対する興味はどれほどのものなのでしょうか。こちらをアンケート調査で調べてみたところ、下記のような結果になりました。

Q.あなたはフリーランスで働くことに興味はありますか?

アンケート結果から、フリーランスで働くことに対して「興味がある」と回答した方は全体の26.3%となりました。一方で、最も多数派を占めたのは「収入が不安定そうなので興味がない」という回答であり、全体的に「興味がない」と回答した方は全体の73.7%という結果となりました。この結果は、前述した日本における労働人口に対するフリーランス人口比率と比例しています。つまり、興味関心を持っている人は一定数存在しているものの、欧米に比べると圧倒的に少ない傾向にある、ということがわかりました。

また、フリーランスという働き方に興味を持てない理由として、アンケートの結果から「会社員のように固定の収入が保障されていない」ということが、大きな理由となっているようです。また、収入の安定性だけではなく、健康保険料や国民年金などといった社会保障について、会社員に比べてフリーランスに対する社会的ケアは手厚いとは言えない状況です。

なにより、日本では終身雇用という意識が未だに社会へ根付いていることもあって、親世代だけではなく若い世代にもそういった意識が引き継がれているのではないでしょうか。

フリーランスに興味を持つ理由

一方、フリーランスでの働き方に対して前向きに「興味がある」と回答した方もいるのは確かです。そこで、前述のアンケートで「興味がある」と回答した方々に追加のアンケート調査を実施しました。その結果は下記の通りです。

Q.「はい」と答えた方にお聞きします。興味を持った理由を教えてください。

アンケート結果を確認すると、上位4位には「収入が増えそう」との回答を31.6%の方から得ることができました。同時に「収入が安定しそう」という結果も9.2%という結果が出ており、合計で40%以上の方が収入面においてポジティブなイメージを持っていることがわかります。このようにフリーランスに興味がある方からは「興味がない」と回答した方の多くが懸念していた「収入面について」前向きな回答が見られました。

また、「興味がある」と回答した方の理由の第1位は「自由に時間を設定できそう」といったものでした。ほかにも「ワークライフバランスが充実しそう」や「個人で裁量をもってできそう」といった回答を得ることができました。これらの結果から、フリーランスに対して「会社員と比較して柔軟な働き方が出来る」というイメージが強く持たれていることを見て取ることができます。フリーランスの働き方に魅力を感じている方はこのような「自由な働き方」に憧れを持たれている方も多いのかもしれません。

欧米と日本のフリーランスの違いは?

欧米と日本とのフリーランス比率の大きな違いが出る理由はさまざまですが、最も大きいのはフリーランスとして活動するために取り巻く環境の違いではないでしょうか。

欧米の場合はフリーランスで活動するためにキャリアエージェントを積極的に活用する、法律や税金といった問題に対しても、それぞれの税理士や弁護士をパートナーにするといった傾向が強くあります。「その道のプロ」が身近にいるという安心感からフリーランスに移行するためのハードルを下げる結果に繋がっているのかもしれません。

日本では、フリーランスで活動するために「身の回りの環境づくりを行う」といった文化があまり定着していないため、そもそもどのようにフリーランスとして活動していいかがわからないままに、インターネットやSNS等から得られるネガティブな情報に左右されてしまう……といったことから、フリーランスへ移行することへの不安が大きく、参入へのハードルが上がってしまうと考えられます。そのためには、まず欧米同様に周りの環境を整えることによって、会社員からフリーランスへ移行する際の不安を払拭することが重要です。キャリアエージェントを積極的に活用するなどし、継続的に案件を獲得することで、懸念していた収入面が安定し、ワークライフバランスの取れた働き方ができるようになるのではないでしょうか。

      

フリーランスのスタートライン

うまくいけば会社員よりも多くの収入を得ることができ、時間の自由もできるといういいこと尽くめのフリーランスという働き方。ですが、生きていくための環境づくりやどういったことをすればいいのかがわからないままフリーランスへ移行したとしても、それは海図を持たないままに海へ出るのと同じことです。

インターネット上にフリーランスに向けた案件を閲覧・受託することができるWEBサイトはあるものの、情報もないままに漠然と行うだけでは相場よりもはるかに安い報酬で時間だけを浪費することになってしまう可能性もゼロではありません。そうなってはまともな報酬も得られず、社会的な福利厚生は一切ないままにワークライフバランスの取れた生活とはかけ離れた生活を送ることになってしまいます。結果として「興味ない」という回答を出された方の言葉通りになってしまうかもしれません。

そのため、まずはフリーランスのための確かな情報を得ることがなによりも重要になってきます。たとえば、なんとなく案件を探すよりも「Remogu(リモグ)」などをはじめとした人材サービスなどを利用して、案件を探してみることがその第一歩になることでしょう。

副業をきっかけに、あるいは今よりもステップアップをしたい、自分の力を試してみたい、などと、どんなきっかけであったとしても、第一歩を踏み出せばそこには大きなチャンスが転がっている可能性があります。目の前にやってきた機会を逃さないためにも、まずは情報と環境を大事にしながら、理想のフリーランス生活に挑戦してみてはいかがでしょうか?

影山綾子

影山綾子

\記事のエビデンスとしてイラストやグラフを転載OK/

・ライター、メディア、新聞社の強い味方

・在宅勤務に関する情報発信メディア:テレワーク
・リモートワーク総合研究所
・年4回の市場調査。ご要望に合わせて設問の用意可能。

・運営:株式会社LASSIC(ラシック)

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