2022年4月22日
テレワークによる家計への影響 2021年度版
記事の調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1035名
調査対象:2021年9月27日〜9月30日
2020年から急拡大したテレワーク。オフィスワークからテレワークへ移行を終え、ご家庭はもちろん、様々な場所で仕事ができる環境を整えた方も多いのではないでしょうか。そういった状況のなかで、在宅でお仕事をされているケースにおいては家計への影響はどのように変化したのでしょうか。そこで今回は前回2020年の調査データと比較をしながら、あらためてテレワークが家計へどれくらい影響を与えているのかを調査してみました。
電気代はやはり増えている?
前回のアンケートと同じく、まずは「電気代」「ガス代」「水道代」「食費」「交通費」「遊興費」の6項目をヒアリング。前回の結果は下記のとおりでした。
以前は自宅でPCを使う時間が増えたこと、単純に家庭内にいる時間が増えた影響から電気代が増加したという声が多く聞かれました。
では、最新版のアンケートではこれらの数字がどのように変化をしているのでしょうか。結果は下記の通りです。
前回同様、「電気代が増えた」と感じている方が最も多く、今回は7割を超え、他の項目と比較しても圧倒的な結果となりました。作業PC、電気、エアコンの長時間利用に加え、コロナ禍で1日中空気清浄機を付けているというご家庭も多く、家計への影響は大きいようです。また、電気代が徐々に値上げしていることも追い打ちになっていることが考えられます。
ほかの項目にも注目してみると、ガス代や水道代も出費が増えたと感じている方が前回から約1割増加しており、在宅勤務の長期化で水道光熱費の増加を一層実感されているのではないでしょうか。
どうやら、前回の調査から1年が経ってなお、テレワークによって家計負担が増えていると感じている方は多いようですね。こんなときに、会社から補助手当などのサポートがあればいいのですが……。
結局もらえている? テレワーク手当
テレワークによって、家計に負担を感じているテレワーカーが一定の割合に上る現状ではありますが、テレワーク手当を支給している企業もあるようです。では、実際にどれくらいの割合でテレワーク手当が支給されているのでしょうか?前回の調査に引き続き、テレワーカーを対象にテレワーク手当の有無についてアンケートを実施しました。前回の調査では下記のような結果が出ました。
前回、2020年度時点では8割以上の方が「テレワーク手当はない」との回答でした。それから1年後、状況はどのように変化したのでしょうか。同じ質問をテレワーカーのみなさんへ投げかけた結果、下記のような結果になりました。
前回から「テレワーク手当をもらっている」と回答された方は増えて、「もらっていない」という回答が減少しています。金額的には、月額1円~5000円が大半でそれ以上の金額をもらっているという方は多くはないようですが、手当が支給されている方が前回から約1割増加したことが分かりました。徐々にテレワークに伴う社員負担の実態が明らかとなり、雇用主・経営者のみなさんが対策し始めている傾向と考えてもいいかもしれません。
とはいえ、いまだに7割以上は手当がない状況であることから、今後より一層テレワークを浸透、定着させていくための課題の一つと言えそうです。
「テレワーク手当」導入していますか?テレワークが社員の家計を圧迫しているかもしれません。
前回と今回のデータを比較した結果、電気代などの水道光熱費が増えたと感じているテレワーカーが多くなっているということ、一方で徐々にではありますがテレワーク手当を支給する会社が増えてきたということがわかりました。
在宅勤務の場合、自宅で仕事をする以上、本来はオフィスで使用される分の水道光熱費は確実にコストとして家計の負担になってしまいます。「それなら、オフィスの方がいいかも…」という意見が増えてしまう可能性も。ですが、今回のコロナ禍を機に、新型コロナウィルスをはじめとした感染症のリスクや自然災害リスクなどを想定したBCPの観点、、通勤ストレス軽減や時間の有効活用などによる仕事の効率化、育児や介護との両立など企業、個人双方に様々なメリットがあることが証明された今、社員の家計への影響を理由にテレワークからオフィスワークに回帰してしまうのはもったいないのではないでしょうか。
家計にかかる負担を企業が全額負担……というわけにはいかないでしょうが、交通費やオフィスの消耗品費など、テレワークによって削減されたコストの一部をテレワーカーへのサポートに充てることができれば個人にかかる負担や心配を軽減し、より効率の良い仕事へ繋げることも可能なはずです。
まだテレワーク手当を検討中の経営者のみなさま、これを機会に手当の支給を前向きに考えてみてはいかがでしょうか?
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