LASSIC Media らしくメディア
両社の強みを活かした理想的な補完関係によってヴィジョンを共有しながら高い次元での連携を実現
WINフロンティア株式会社様
WINフロンティア株式会社 代表取締役社長 板生 研一 様
WINフロンティア株式会社 取締役 技術開発部長 駒澤 真人 様
(写真左から)弊社 佐久間、WINフロンティア板生様、駒澤様
プロジェクト概要
鳥取県智頭町 森林セラピー®ユーザ向け健康支援アプリ開発
- LASSIC担当領域:企画、運用支援、システム開発
- プロジェクト期間:2015年4月~2016年3月
- 体制:WINフロンティア様 3名 LASSIC 3名
健康をメンタル面から支えたいという想いがLASSICそして鳥取県智頭町との接点になった
板生様
私はWINフロンティアというベンチャー企業の代表をしています。私たちは健康・ヘルスケア領域に特化してソフトウェア開発をおこなっており、予防医学的なスタンスでITを活用し“健康をメンタル面から支える”ということをコンセプトにしています。
もともとSONYで“IT技術で生活を良くする”ことに取り組んでいたのですが、そこを原点に、今後必要とされる分野でITとその関連技術を活用したいと思っていました。 私がメンタルヘルスに着目したのは、父(東京大学・名誉教授の板生清氏)が作ったNPO法人で研究していた“身に付けて健康データを管理”するウェアラブル技術がきっかけです。
今までの集大成がWINフロンティアになります。ストレス、リラックスなどの気持ちは定量化して数値で見せるのは難しいのですが、“健康をメンタル面から支える”というコンセプトの下に技術を確立できたことが今回のLASSIC、智頭町との接点になったのだと思っています。
駒澤様
私はWINフロンティアで開発部長としてソフトウェア開発に携わり、主にアルゴリズム、自律神経からの分析などをしています。もともと弊社組織内には学会もありますし、ソフトウェアから得られたバイタルデータを蓄積していくことで、そこから新たな知見とか、年代別、性別の傾向などが得られ、それをデータ活用に繋げていくような仕事もしています。
大学時代は地震の研究をしており、地震波の解析などをしていました。基本的なベースは数学上、波の解析に基づいています。ですから人間が発する心拍の波などは地震の波と共通です。こうした地震波研究・解析での知見を活用して“健康をメンタル面から支える”ための開発をしています。
板生様
現在LASSICと連携して開発している鳥取県・智頭町の森林セラピー®のアプリは、センサーを使わずにスマホのカメラに指を当てるだけで心の状態がチェックできる当社のアプリ『COCOLOLO(ココロ炉)』と連携して、森林セラピーをより身近に感じられる画期的なものです。
個人向けアプリで重要なことは、いかに測定を手軽にできるかということ。そうでないと日常で活用できるツールにはなりません。計測結果はカレンダーに記録され、心の記録として把握することができます。
当初の森林セラピー®の効果検証だった関係がやがて連携して森林セラピーのアプリ開発へ
佐久間(弊社ITコンサルタント)
私たちLASSICとWINフロンティアさんとの出会いは2011年のメンタルヘルスケアジャパンという展示会でした。農業体験を活かしたメンタルヘルスプログラムをテーマに出展した私たちの斜め前のブースがWINフロンティアさんでした。
当時、私たちの“セラピー”は「本当に効果があるのか」と企業に言われることが度々あったため“感情”や“気分”を測れる専門の知見を持つ会社と連携したいと思っていました。そこで目の前のWINフロンティアさんに声をかけたんです。同時に鳥取環境大学内に感情医工学研究所を設立した時期でもあったので、専門家の協力体制の構築が必要でした。
板生様
私たちにとっても好機でした。測定の結果、ストレス気味の人にいきなり「お医者さんへ・・・」という話はできません。そこでアプリでは音楽や本などのリラックスできる要素を紹介していたのですが、ここに森林セラピーなど“自然”という要素が入ることでとても面白いものが創りだせる。自然環境って人間にとってとても大きな存在ですから。
佐久間
この出会いをきっかけに、森林セラピーの効果検証を1年~2年ほどご一緒頂きました。
板生様
森林セラピーの効果を実証するため、LASSIC、智頭町のプロジェクトに加わり、基礎となるデータをとって解析をはじめたわけです。
駒澤様
最初は都会の企業の方にセンサーを付けていただき、日常の数値と森林セラピーの時の数値をそれぞれ計測し、フィードバックすることからはじめました。
佐久間
そして森林セラピーでどれくらいリラックスできているのか、職場でどれくらい緊張しているのか、という比較実験で蓄積したデータを見たときに「これは面白いことができそうだ」と。森林セラピーのアプリ開発の原点です。
先ほどの板生社長のお話にあったWINフロンティアさんのアプリを使って、O2Oと言われているビジネスモデルを健康増進や健康資源という切り口で作り出せるんじゃないかと思いました。そして2014年にアプリ開発がはじまりました。
「最初の不安が嘘のようにスムーズに開発が進みました。」(駒澤様)
駒澤様
開発を担当するLASSICは鳥取で、WINフロンティアは東京です。当初は遠隔での開発経験がなくて不安でした。しかしLASSICはもともと遠隔での開発ノウハウが豊富なので、その都度、押さえるべきことを押さえ、また遠隔でもお互いが理解できるようなツールや開発管理ソフトを駆使していました。ですから、意外にも最初の不安が嘘のように開発がスムーズにいきました。
佐久間
遠隔での開発を5年以上もやっていますので、私たちにはノウハウがあります。「遠隔だからこそ確認しておかなければならないよね」という心構えでいることが重要で、相手を過信せず“ひとつひとつを疑う”、“阿吽の呼吸に頼らない”など、その都度情報共有を確実にすることで効率的な開発を可能にしています。
今後もヴィジョンを共有しながら皆が笑顔になれるサービスを世界中に
板生様
私と駒澤は鳥取を訪ねたこともありました。やはり行くと絆も一層深まりますね。自然の中でシャワークライミングなどを体験したんですが、おかげで普段遠隔でやり取りをしていた皆さんと気持ちが通い合いました。実は私、沢を登る途中で足を滑らせて滝壺に落ちてしまったんです。
佐久間
目の前で滑落して、なかなか上がって来なくて青ざめましたよ。おまけに私は泳げないので助けられないし(笑)。
板生様
あの瞬間は、人生終わったなと思いましたが、意外と大丈夫でした。いい思い出です(笑)。
またその機会にLASSIC鳥取本社の遠隔での開発環境も見せていただいて感じたんですが、東京に一極集中しなくても自然の近くで働ける。メンタルヘルス的にもいい環境です。こうしたニアショアというスタイルはメンタルヘルス的にもひとつの答えだと思います。
駒澤様
明るい雰囲気で、女性の方も多くて活発にコミュニケーションをとりながら働いていましたし、社内のあちこちで遠隔での会議が行われているのも目にしました。
また、「長期休暇でリフレッシュして再び仕事をする」という働き方を実践されている方もいました。“こういう働き方っていいな”“こういう働き方をしてみたいな”と憧れる人も多いと思います。実際にそれを実現しているという部分がLASSICの強みだと思います。
板生様
新しい働き方を追求するその裏側には“離れているからこそきちんと責任あるプロセスを踏んで誤解のないように”という心遣いがあると感じましたね。
私は“らしく”というLASSICの理念に共感しています。幸いにして我々の強みは違う部分で、設計して解析して可視化するという部分ですので、お互いに補完関係です。今後もヴィジョンを共有しながらより高い次元で連携していけることを期待しています。
佐久間
私も同様に、ヴィジョンが一致している両社が連携して、いろいろなサービスを一緒に創ってきたいと思っています。その第一歩として智頭町の様々なリアルなアクティビティとICTを駆使したアプリを活用しながら皆が笑顔になれる時間が増えてくればいいなと思いますし、こういったモデルを世界中に創っていけたらいいなと思います。
「“らしく”というLASSICの理念に共感しています。
お互いに補完しながら、より高い次元で連携していけることを期待しています。」(板生様)
WINフロンティア株式会社
本社所在地 東京都千代田区有楽町1-12-1 新有楽町ビル247
URL http://www.winfrontier.com/lifescore.html
『COCOLOLO(ココロ炉)』(http://cocololo.jp/)